ホームページのページ全体が大きな画像やPDFで構成されている場合、検索エンジンがその内容を正確に把握し、ページの構造を理解することが難しくなります。その結果、検索エンジンがページの内容を適切に判断できず、検索結果への反映に影響が出る可能性があります。また、視覚障害のある方が使う音声読み上げソフトでも、画像内の文字を読み上げることができません。まずは、画像の中に含まれている「見出し」や「説明文」を、画像とは別の「テキストデータ」として書き出すことから始めてください。これが、検索エンジンと利用者の両方に正しく情報を伝えるための第一歩となります。
なぜ画像だけのページは検索に弱いのか
検索エンジンが文字を認識できない仕組み
検索エンジンは、ウェブサイトの裏側にある「HTML」という仕組みを通じて、そこに書かれた文字情報を読み取ります。HTMLとは、ウェブページの構造をコンピュータに伝えるための言語です。例えば、どこが大きな見出しで、どこが本文なのかを指示する役割を持っています。しかし、ページ全体がひとつの大きな画像として作られている場合、検索エンジンには「何かが描かれた画像がある」ことしか伝わりません。画像の中に「新商品のご案内」と書かれていても、それが文字として認識されなければ、その言葉で検索された時にあなたのサイトを表示させることは難しくなります。まずは、画像の中にある言葉を、コンピュータが読める「テキスト」として扱う準備が必要です。
ユーザーの利便性を損なう操作性の問題
画像だけのサイトは、利用者が情報を探す際にも不便を感じさせます。例えば、気になる情報をコピーして別の資料に貼り付けたいときや、スマートフォンの機能を使って文字のサイズを大きくしたいとき、画像ではこれらの操作ができません。また、ボタンやリンクが画像の一部として描かれていると、指でタップしにくい、あるいはどこを押せばよいのか分かりにくいといった問題も発生します。これらは「使いにくいサイト」という評価につながり、結果としてサイトから離脱される原因となります。文字情報をHTMLで提供することは、単なる検索対策だけでなく、訪れたお客様がストレスなく情報を得られる環境を作るための大切な作業です。
音声読み上げソフトへの対応不足
視覚に障がいがある方や、画面を見ずに情報を得たい方は、ブラウザの機能を使って画面上の文字を音声で読み上げる「スクリーンリーダー」というソフトを利用しています。しかし、ページが画像だけで構成されていると、ソフトは読み上げるべきテキストを見つけることができず、沈黙するか、画像の説明(代替テキスト)を読み上げるだけになってしまいます。これは情報のアクセシビリティ、つまり「誰もが情報にたどり着ける状態」を損なうことにつながります。企業の信頼性を高めるためにも、画像はあくまで視覚的な補助として使い、重要な情報はテキストとして独立させておくことが求められます。
画像からテキストへ移行する具体的な手順
画像内の情報を整理して書き出す
改修を始める前に、現在の画像の中にどのような情報が含まれているかを整理しましょう。いきなりコーディング(プログラミング)に入るのではなく、まずは紙やメモ帳を使って、画像内のテキストをすべて書き出します。このとき、単に文字を写すだけでなく、「これは大きな見出し」「これは補足の説明」「これは手順のステップ1」というように、情報の役割を分類してください。例えば、チラシのようなデザインの画像であれば、一番大きく書かれたタイトルを「h1(大見出し)」、その下の詳細を「p(段落)」として整理していくイメージです。この整理作業が、後の作業の正確さを左右します。
HTMLの構造に沿って要素を分ける
書き出した情報を、ウェブサイトの設計図であるHTMLの要素に当てはめていきます。見出しには「h1」から「h6」までの見出しタグを、文章には「p」タグを、箇条書きには「ul」や「li」といったタグを使い分けます。例えば、商品の特徴を3つ並べている図解がある場合、その図解自体は画像として残しつつ、その中身である「特徴の名前」と「詳しい説明」は、HTMLのテキストとして記述します。このように「見た目のデザイン」と「情報の構造」を切り離して考えることが、正しい改修のポイントです。担当者へ依頼する際は、「画像内の文字をすべてテキスト化し、適切な見出しタグを割り当ててください」と伝えるとスムーズです。
リンクやボタンを機能として作り直す
画像の中に「詳しくはこちら」といったボタンが描かれている場合、それを画像の一部としてではなく、HTMLの「aタグ(リンク)」や「buttonタグ(ボタン)」として作り直します。画像内のボタンは、クリックできる範囲が狭かったり、スマートフォンで操作しにくかったりすることが多いためです。改修後は、マウスを重ねたときに色が変わるか、指で押したときに反応するかなど、実際の操作感を必ず確認してください。また、お問い合わせフォームなどの入力欄も、画像ではなくHTMLのフォーム要素として実装する必要があります。これにより、ユーザーは迷うことなく次のアクションへ進めるようになります。
失敗しないための確認基準と注意点
図解と文章の役割を明確に分ける
情報を整理する際、すべてを文字にする必要はありません。複雑な仕組みを示す図解や、視覚的なインパクトが重要な写真は、そのまま画像として活用するのが効果的です。ただし、その図解が「何を示しているか」を、画像の外にあるテキストで補足することが重要です。例えば、製品の比較表を画像で作っている場合は、その表の内容をHTMLの「tableタグ」で作り直すか、あるいは画像の下に「この表では、A社とB社の価格差について説明しています」といった文章を添えるようにします。図解は「理解を助けるもの」、テキストは「情報を伝えるもの」と役割を明確に分けることが、質の高いページを作るコツです。
スマホ表示での見え方を確認する
パソコンで見たときは綺麗に見えても、スマートフォンで見ると文字が小さすぎて読めない、あるいは画像が横に突き抜けてしまうといったトラブルがよく起こります。画像の中に文字を書き込んでしまうと、画面サイズに合わせて文字の大きさだけを調整することができません。HTMLでテキスト化していれば、スマートフォンの設定で文字を大きくしても、読みやすいサイズが維持されます。改修作業の段階では、必ずスマートフォン実機での表示確認を行い、文字が読みやすいか、ボタンが押しやすいか、画像とテキストのバランスが崩れていないかをチェックしてください。
SVG利用時の落とし穴に注意する
デザインの品質を保つために「SVG(エスブイジー)」という、拡大してもぼやけない画像形式を使うことがあります。しかし、ページ全体をSVGで作成して、その中に文字を埋め込んでしまうと、結局は「画像の中に文字がある」状態と同じになってしまいます。SVGは、ロゴやアイコン、シンプルな図解には非常に適していますが、本文のすべてをSVGで済ませようとするのは避けてください。あくまで装飾や図解として使い、検索エンジンに読ませたいメインの文章は、必ず標準的なHTMLのテキストとして記述するようにしましょう。
適切な運用と専門家への相談タイミング
自社でできる範囲と任せる範囲の判断
ホームページの改修には、デザインのセンスと、HTMLなどの技術的な知識の両方が必要です。社内の担当者が、既存の画像からテキストを抽出して整理する「コンテンツの整理」までは行えますが、それを実際のウェブサイトとして形にする「実装」の部分は、制作会社や専門のエンジニアに依頼することをお勧めします。依頼する際は、整理したテキストデータと、「このような構造(見出しの順番など)にしてほしい」という指示書をセットで渡すと、意図通りの仕上がりになりやすくなります。自社で無理に技術的な部分まで手を広げすぎず、役割分担を明確にすることが、コストと時間の節約につながります。
制作会社へ確認すべき具体的な質問
制作会社に改修を相談する際は、単に「直してください」と言うのではなく、具体的な目的を伝えて確認することが大切です。例えば、「現在の画像中心の構成を、検索エンジンが読み取りやすいHTML構造に変更したいのですが、どの程度の作業が必要ですか?」や、「画像内のテキストをHTML化する際、アクセシビリティ(使いやすさ)の観点でどのような配慮をしてくれますか?」といった質問を投げかけてみてください。また、「改修後、スマートフォンでの読みやすさはどのように担保されますか?」と聞くことで、相手の技術的な理解度や、こちらの意図を汲み取ってくれるかどうかを判断する材料になります。
状況を整理して次のステップへ進む
まずは、自社のホームページがどの程度「画像頼み」になっているかを棚卸ししてみましょう。全てのページを一度に変える必要はありません。まずは、検索結果からの流入を増やしたい重要なサービス紹介ページや、お問い合わせに直結するページから着手するのが効率的です。現在のサイトの構成を整理し、「どの画像に、どのようなテキストが含まれているか」をリストアップすることから始めてください。もし、整理の仕方が分からない、あるいは具体的な改修の見積もりが欲しいといった場合は、専門の制作会社へ現在のサイトURLを添えて、現状の診断を依頼することをお勧めします。
PDFには文字として保存されたものと、紙を画像にしたものがあります。PDFだから検索できないと一律に考えず、文章を選択できるか、読み上げ時に順序が通るかを確認します。画像に短い代替説明を付けることと、料金や条件など重要な本文をHTMLで掲載することも役割が違います。
参照情報・確認日
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確認日:2026-10-15